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物欲に生かされている系女子の徒然レビューブログ

indigo la Endが、川谷絵音が好きなんだという話

indigo la Endの6thアルバム『夜行秘密』の発売日でした。
 
 
タイトルが発表されてから1年くらい待ちました。やっと来た。限定盤、どれ買う!?と悩んでいたり住んでる場所的に配送に時間がかかる場所なので現品はまだ手にしていないのですが。Spotifyで聴いてます。ありがとうSpotify
 
 

indigo la Endってどんなバンド?

 
川谷絵音さんが大学時代に結成したバンドです。ボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人構成。+ピアノ兼コーラスのサポートの女性。indigo la Endって幸せな曲が本当にないです、失恋する曲しかない。一言で言うと川谷絵音の恋愛の負の側面が詰まったバンドです。
 
 
最初にindigo la Endを聴いたとき、なんでこんなに失恋したり恋愛がうまくいかない女子の気持ちがわかるんだろう、しかもワードセンスというか作詞センスがただただ高くて、言い得て妙!言葉選びがものすごくお洒落で上手い!なんか短編小説読んだみたい!というか聴けば聴くほど良さがわかっていく!スルメみたい!と思いました。
 
そう思い聴き込んでいくとピアノを絡めた伴奏(川谷絵音が作曲しています)が緻密に作ってあるなあとか、女性ボーカルの絡め方活かし方が絶妙なバランスだなとか、川谷絵音のハスキーで裏声を多用する歌唱がいいなとか、そう思ってどんどんハマっていきました。
 
 
 
そしてわたしは気づいたらindigo la Endのライブチケットをとり、大きなライブハウスの後方に立っていました。2018年の秋の話です。
 
好きなバンドの生で奏でる音が聴きたいな、くらいの気持ちだったのに、最終的には、私は祈るような気持ちでステージの上の川谷絵音を見つめていました。
 
壊れそうだ、と、思ったのです。目の前のステージで唄っている川谷絵音が、儚いもの、幻のように思えました。命を削って唄っているのだと思いました。
ああ、ものすごくかっこいいなと。そりゃ色恋の話も絶えないだろうし、惚れるよなあ、と妙に納得が行きました。彼に完全に魅せられました。
 
その一件をきっかけに川谷絵音の他のバンド(ジェニーハイとか)やプロジェクトもちょいちょい聴くようになり、彼の作品を出すペースがえげつないくらい早くて1年で50曲とか作っているのに全部作品の質が高くて、プロジェクトごとに特色をかなりしっかり分けているのに一貫した芯もあり、全ての根底に川谷絵音の卓越したワードセンスや作曲センスが迸っていて、川谷絵音が好きだな、と思ったのです。
 
 
川谷絵音の作詞センスがすごい
 
曲の歌詞をいくつか引用しつつ、川谷絵音の曲の魅力の要因のひとつに作詞センスがある、という話をしたい。
 
 
発売記念YoutubeLiveでも言及されていましたが、川谷絵音の作詞って「元々何かを言い切ることはなく、終わる時間の経過など物語を書くことがうまい」んですよ。
 
たとえばindigo la Endで一番有名な曲『夏夜のマジック』
 
記憶に蓋をするのは勿体無いよ
時間が流れて少しは綺麗な言葉になって
夏になると思い出す別れの歌も
今なら僕を救う気がする

 

この一節だけで、恋愛をしていた過去のこと、そこから数年経って数回夏が巡ってきたこと、過去の恋愛が美化されていくこと、など色んな事が推察され、情報量の多さと言うか行間や物語性が感じられる。
 
『冬夜のマジック』を経て『ハルの言う通り』では
 
バイバイ熱恋よ
バイバイ熱恋よ
最果てまで一気に嵩む
たゆたうことなく一気にバイバイ
ためらうことなき恋傀儡
少しだけ泣いた
 
熱恋とは?恋傀儡とは?という川谷絵音の謎ワード、一瞬「ん?」と違和感を覚える、でも語感や響きもいい、と思いつつ数回聴いていると唐突に意味を理解できるポイントが来ます。
川谷絵音の曲の印象深さと言うかスルメ要素はこの謎ワードにあると思っています。
 
 
自分がボーカルでなくてもその作詞センスは強くて、
 
素直で癖のない中嶋イッキュウとハスキーで中毒性の高いアイナ・ジ・エンドという異なる性質の女性ボーカルのデュエットが美しい『不便な可愛げ』
 
不便よ 不便よ 不便よ 不便よ
私の可愛げは
そんなことをのたまう私は一級品
敬いなさい

 

自尊心とか可愛げを考える自分とか、女心をズバリ言い当てられた気持ちになる歌詞の中にさらりとボーカル二人の名前を違和感なく溶け込ませてくるあたり(一級品→イッキュウ、敬いなさい→uyamainasai→アイナ)が小粋。
 
 
Vtuber界の親分としてお茶の間にも知られるキズナアイと新進気鋭の現役女子高生バーチャルシンガー・花譜のコラボ曲として書き下ろした『ラブしい』では、そもそもラブしいとは?でもなんとなく意味はわかる?というキャッチ―な違和感をもたらす謎ワードから始まり、
 
まだ離さないで幻
繰り返す逃避行ならぬ
夜間飛行で私たち
共鳴中心世界線

 

バーチャル、幻の身体を得て実在しない世界の実在しない人格を生きる彼女たちの交わりを「共鳴中心世界線」という端的かつ的確なワードで表していたり。
 
 
 
川谷絵音は、人を惹きつける力があると思っています。その要因はたくさんあると思うのだけど、そのうちのひとつは、物事に対する感受性の高さ、そして自分の情感を的確かつポップに表すワードセンスの高さにあるんだろうな。
 
indigo la Endの新譜もたくさん聴きます。
 

 

夜行秘密 (初回限定盤A Blu-ray)

夜行秘密 (初回限定盤A Blu-ray)

  • アーティスト:indigo la End
  • 発売日: 2021/02/17
  • メディア: CD
 

 

 
ブログを読んで気になった人は曲も聴いてくれよな!!!
 

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